京都市には,「きょうと☆いのちかがやく博物館」として連携する動物園,植物園,水族館や科学センターのほか,環境学習施設,自然体験施設等が多数あり,身近な場所でも生物多様性を学ぶことができます。
これらの場所で,展示を見学したり,イベントや学習会などに参加したりして,生物多様性について学んでみませんか?
・京都市動物園
・京都市青少年科学センター
・京都府立植物園
・京都水族館
・京エコロジーセンター
・さすてな京都
京都市動物園,京都府立植物園,京都水族館及び京都市青少年科学センターでは,かけがえのない自然環境の次世代への継承及び体験・啓発を目的として,「きょうと☆いのちかがやく博物館」として連携協定を締結し,1年を通して様々な交流連携事業を展開しています。
<事業項目>
1 かけがえのない生態系に関する事業連携
2 次世代への京都の自然環境の継承及び体験・啓発
3 幅広い情報発信と職員交流の推進
京都市動物園
京都市動物園は,明治36(1903)年4月に大正天皇の御成婚を記念して,全国で2番目に開園した歴史を持ちます。市民の皆様からの多額の寄付金を元に建設された本園は,市民の手による日本で初めての動物園と言えます。
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種であるアジアゾウ,ニシゴリラ,グレビーシマウマ,ツシマヤマネコ及びイチモンジタナゴの繁殖に取り組んでいるほか,飼育動物を通じた環境教育プログラムを実践する等,生物多様性について学ぶことができます。
<京都市動物園ホームページ>
外観
グレビーシマウマ
アジアゾウ
理科教育,環境教育の実践
ニシゴリラ
京都市青少年科学センター
京都市青少年科学センターでは,所員が工夫を凝らして製作した100点を超える体験型の展示品を通して,楽しみながら理科・科学の不思議さや面白さを体感でき,生物多様性についても学ぶことができます。
<京都市青少年科学センターホームページ>
外観
「チョウの家」のオオゴマダラ
むしむしワールド
-磯の環境—「海の中の生命」
鴨川のいきもの
屋外園
チョウの家
屋外園にある「チョウの家」では,京都では見ることのできない沖縄の珍しいチョウが生きたままで見られます。これらは,科学センターで卵からかえしたものです。日本最大のチョウであるオオゴマダラや,青いはねのリュウキュウアサギマダラ,白い筋の入ったシロオビアゲハなどが観察できます。
むしむしワールド
オオセンチコガネをはじめとする昆虫標本を基に,生物の多様性について主に以下のことを学ぶことのできる展示品です。
- 遺伝子の多様性コーナー
同じ種でも個体差があることが分かります。オオセンチコガネの「個体変異」と「地域変異」について,標本やパズルを使って調べることができます。 - 種の多様性コーナー
多くの種類の生物がいることが分かります。「大きさ」「形」「色」の多様な昆虫を展示するとともに写真で紹介します。 - 生態系の多様性コーナー
様々なタイプの自然環境があることが分かります。生息環境ごとにすんでいる昆虫の種類が違うことを写真,パネル,標本を通して学ぶことができます。
—磯の環境—「海の中の生命」
海の磯を再現した水槽です。ヒトデやウニなど様々な生きものを間近で観察できます。潮が引くと空気にさらされ,太陽光が直接当たって乾燥し,温度も上がる磯は,生物にとって厳しい環境といえます。こうした環境の中で生き抜き,子孫を残すため,磯の生きものは,生息場所の選び方や波にさらわれないための付着方法など,様々な工夫を凝らしています。
鴨川のいきもの
鴨川の上流(雲ケ畑付近)と中流(出町付近)をモデルとした水槽で,その中で飼育する「いきもの」が環境に適応して生活する様子を間近に観察することができます。
- 上流水槽:雲ケ畑付近にすむアマゴ,タカハヤなどを飼育
- 中流水槽:出町付近にすむオイカワ,ヨシノボリなどを飼育
屋外園
日本全国から集めた様々な岩石・化石や200種以上の植物,四季折々の花などを観察することができます。
京都府立植物園
京都府立植物園は,大正13(1924)年に開園した日本最古の公立総合植物園です。春は約500本の桜が咲き誇り,秋はモミジ,フウやイチョウなど,様々な木々の紅葉が見事です。夏や冬は,植物園ならではの新緑や花木を観賞いただけます。また,日本最大級の観覧温室では,キソウテンガイやバオバブなど世界の熱帯植物が身近に観賞できます。「憩い」と「学び」を両立する「生きた植物の博物館」です。
1年を通じて各種展示会をはじめ,講習会や講演会などの催しや園内ガイドなどを行っており,生物多様性についても学ぶことができます。
<京都府立植物園ホームページ>
外観
くすのき並木
園内ガイド
日本の森 植物生態園
観覧温室
四季 彩の丘
洋風庭園
日本の森・植物生態園
京都府庁開庁100年記念として造成した「日本の森・植物生態園」は日本各地の山野に自生する植物をできるだけ自然に近い状態で植栽しています。
総面積は約15,000㎡,外周部は樹木林とし,内部は湿地や砂地など様々なエリアに分かれます。
早春にはセツブンソウ,フクジュソウに始まり,春にはクリンソウ,キエビネ,ミズバショウ,初夏にはヤマユリ,ハンゲショウなどが咲き乱れます。夏はキキョウ,カワラナデシコ,レンゲショウマ,秋にはフジバカマ,オミナエシなど絶滅危惧種を含め約1,000種類の樹木類,草本類が植栽展示されています。
四季それぞれに移りゆく草木の可憐な姿に,懐かしいふるさとの山川を思い浮かべ,豊かな心の糧となれば幸いです。
観覧温室
外観は池に浮かんだ金閣寺のイメージと,北山連峰のシルエットを取り入れた京都らしい優雅なデザインです。延床面積約4,694㎡,高さの最高14.8mの内部は,8つの部屋で構成され,回遊式で段差のない延長460mに及ぶ順路に従って進むと,次々と景観が変わり,一巡すると熱帯の様々な植生が観賞できます。
展示植栽植物は約4,500種類に及び,国内初展示,初開花の植物も多く,名実ともに日本最大級の温室で,一年を通して熱帯植物が観察できます。また,室内では球根ベゴニア展,フクシア展,食虫植物展,洋ラン展などの展示会を随時開催し,保有植物の公開に努めています。
四季 彩の丘(しき いろどりのおか)
7,100㎡の敷地に英国風庭園をはじめ,水路,池,丘を擁する「四季 彩の丘」では,四季折々の変化を創出しています。それぞれの環境に合わせて,宿根草を中心に水生植物,有用植物などを植栽しており,季節ごとの彩りを楽しむことができます。
夏にはハスの鉢を多数展示し,観蓮会を行っています。
洋風庭園
正門から東へ広がる洋風庭園は,西洋シャクナゲ園,ばら園,沈床花壇からなる庭園です。
ここでは,四季の草花,約320品種1400株のバラ,ツツジなどの花木,ヒマラヤスギ,カイヅカイブキなどの針葉樹を左右対称の幾何学模様に配し,明るい洋風の雰囲気を演出しています。
周囲から一段低くなっている沈床花壇では,キリシマツツジ,四季の草花が咲き誇る,華やかな花壇で,遠景にみえる比叡山,東山連峰と相まって,ダイナミックな景観を生み出しています。また,AAS(All-America Selections)及びFS(Fleuroselect)の受賞品種を植栽したディスプレイガーデンもあります。
【AAS(All-America Selections):全米審査会】
1932年に花や野菜の優良新品種の選定や普及,育成者の権利保護を目的としてアメリカで発足した非営利機関で,「花苗部門」「花部門」「野菜部門」がある。新品種を北米40か所超の試作圃場で比較栽培し,優秀な品種に対して金賞が授与される。
受賞品種の展示圃は世界中で192箇所あり,本園はそのうちの一つです。1992年から栽培展示。
【FS(Fleuroselect):欧州花き種苗審査会】
1970年に花の新品種開発振興や育成者の権利保護を目的に設立された国際的な非営利機関で,世界の主要な育種会社や種苗会社が会員となり事務局はオランダにある。一定水準以上の成績でなければ入賞できず,受賞品種の中でも特に優れた品種には,ゴールドメダルが贈られる。受賞品種の展示圃は世界中で53箇所あり,アジアに3箇所。本園はそのうちの一つです。1994年から栽培展示。
京都水族館
コンセプトは「水と共につながる,いのち。」
京都水族館は,京都市の中心にある内陸型大規模水族館です。
水の循環を通じて多くの命が共生する生態系を再現しており,「京の川」エリアでは鴨川に生息する「オオサンショウウオ」が出迎えてくれるほか,高さ約6mにも及ぶ「京の海」大水槽では京都の海に生息する生きものが見られるなど,川から海へと続くいきものたちの息吹を感じることができます。
また,令和2(2020)年7月には西日本最多となる約30種5,000匹のクラゲを展示する「クラゲワンダー」が誕生しました。飼育スタッフが行うクラゲの繁殖や研究の様子も間近で見ることができます。
<京都水族館ホームページ>
外観
オオサンショウウオ
イルカパフォーマンス
「京の海」大水槽
京エコロジーセンター
京エコロジーセンターには,屋上にビオトープや畑があり,生きもの観察や生物多様性に関するイベントを実施しています。また,「KESエコロジカルネットワーク」推進のために育成している希少植物は,来館者もご覧いただくことができるなど様々なアプロ―チで生物多様性保全に関する取組を進めています。
<京エコロジーセンターホームページ>
外観
ビオトープ
イベント(屋上プログラム)
ちきゅうまる
希少植物
インセクトホテル
クイズ
さすてな京都
「さすてな京都」は,ごみ処理施設そのものを活用して整備しています。焼却炉,ごみ発電やバイオガス化施設などの迫力満点の大規模施設を間近に見学し,それらを生きた教材として最先端の環境技術を学べます。また,SDGsの推進をはじめ,ごみ減量,地球温暖化,生物多様性や環境面から見た地域の歴史など幅広い分野を対象として,ライフステージに応じたプログラムを作成し,体験型を中心にした子ども向けコンテンツ,インパクトのある映像等を中心にした大人向けコンテンツを各所に配置することにより,子ども,学生,大人,事業者及び修学旅行生など様々な方が興味や好奇心を持って,楽しみながら学習していただけます。
また,かつての横大路沼・巨椋池の生態系の復元をテーマとしたビオトープがあり,オニバスやミズアオイなど地域を特徴付ける植物やその環境に集う生物を観察できます。また,四季折々の花々の植栽を行っており,特に色とりどりのアジサイがおすすめです。ビオトープでの自然観察会や身近な自然の恵みを使った工作,生物多様性について学ぶ学習プログラムを開催しています。
<さすてな京都ホームページ>
外観
ビオトープ
イベント(ヘチマのはてな?)
ハス
アジサイ