・推進プロジェクト
・武田薬品工業株式会社京都薬用植物園との連携
・きょうと生物多様性パートナーシップ協定
・「生物多様性」について考えて、行動する産学公連携プロジェクト「トレイマット デザイン コンテスト」
・生物多様性保全に関する活動交流会
推進プロジェクト
本市では、生物多様性の課題解決に向け、本市の自然環境の特性を踏まえた「森」、「里」、「街・川」の三つのフィールドに加え、本市の都市特性を踏まえた「京都らしさ」(伝統、文化、産業、景観等)の継承の観点の四つをテーマとして、関連する取組を一体的に進め、相乗効果を図る「推進プロジェクト」を実施しています。
推進プロジェクトでは、現場での「生物多様性の持続可能な利用」(目標1)、 「生物多様性の保全・回復」(目標2)の取組だけでなく、「ライフスタイルの転換」(目標3)や「社会変革に向けた仕組みの構築」(目標4)といった、各主体の参画を下支えする取組と一体的に推進します。また、誰もが「自分ごと」として生物多様性のための行動を起こすきっかけとなるよう、多様な主体を巻き込んで取り組みます。
推進プロジェクトは、計画期間中の10 年間で、課題整理等の現状の把握を行い、モデル地域での実践等の具体化を進め、実施主体や地域の拡大を図るなど、段階的に取組を進化させます。


森林は、多様な生きものの生息場所であるとともに、土砂災害の防止や良質な水を育む涵養(かんよう)機能など、私たちの安心安全な暮らしに欠かせないものであることから、森林資源を持続的に利用し、シカ等の食害への対策を進めることで、劣化した森林植生を再生し、森林環境の回復を目指します。
各推進プロジェクトの取組状況
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チマキザサの再生
「チマキザサ再生委員会」と協働し、絶滅の危機に瀕する花脊・別所地域のチマキザサ再生を推進します。 -
東山の森づくり
「京都伝統文化の森推進協議会」と協働し、東山等において多様な動植物が見られる生物多様性豊かな森づくりを推進します。
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西山の自然環境保全
小塩山及び大原野森林公園における保全活動団体と協働し、希少な動植物が生息する西山の自然環境保全を推進します。


農地は、生きものの重要な生息地であるだけでなく、美しい景観や防災・減災機能など、私たちの生活に様々な恵みをもたらすものであることから、環境に配慮した農産物の生産・消費を促進することで、生物多様性保全機能をはじめとした、多面的機能が発揮される持続可能な農業の推進を目指します。
各推進プロジェクトの取組状況
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環境保全型農業の推進
環境に配慮した農産物の生産・消費を促進することで、生物多様性保全機能をはじめとした、多面的機能が発揮される持続可能な農業を推進します。
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- (出典)エコ学区 みちづくり支援事業


市街地の緑地や河川は、それぞれに豊かな生態系を形成するとともに、森や里の動物の移動を助け、市域全体の生物多様性を支えていることから、市街地の緑化や生物多様性に配慮した川づくりを推進することで、水辺と緑地の連続性を確保し、生態系ネットワークが確保されたまちづくりを目指します。
各推進プロジェクトの取組状況
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「宝が池の森」の保全・再生・利活用
「『宝が池の森』保全再生協議会」と協働し、宝が池とその周辺の森の保全・再生・利活用に取り組みます。 -
天然アユなどの川の恵みを豊かにする活動推進
「京の川の恵みを活かす会」等と協働し、アユ等が生息できる環境作りや持続可能な利用を推進します。
- (出典)エコ学区 みちづくり支援事業


京都の伝統や文化、産業、景観等は、多様な生きものの存在によって成立していることから、産業をはじめとする「京都らしさ」の継承に必要な生物資源を特定し、保全・回復の取組を講じることで、生物資源の持続可能な利用を目指します。
各推進プロジェクトの取組状況
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「京都らしさ」を支える生物資源調査
京都らしさ(伝統、文化、産業、景観等)を支える生物資源の現状等を把握し、保全・回復の取組を講じることで、生物資源の持続可能な利用を図ります。
武田薬品工業株式会社京都薬用植物園との連携
本市と武田薬品工業株式会社京都薬用植物園は、令和3年12月に締結した生物多様性保全に関する協定に基づき、京都に自生する希少な植物種の保全、京都薬用植物園における自然観察会及び講習会の開催など、様々な取組を展開しています。
きょうと生物多様性パートナーシップ協定について
京都市と京都府は、令和5年3月に締結した「生物多様性保全の推進に関する包括連携協定」に基づき、令和5年4月に「きょうと生物多様性センター」を設置するなど、京都における生物多様性の保全に向けた取組の一層の促進を図っています。
この度、京都市と京都府は、同連携協定に基づき、民間資金等を活用して、生物多様性の保全活動に取り組む団体を支援等するため、共同の制度として「きょうと生物多様性パートナーシップ協定制度」を創設しました。
「生物多様性」について考えて、行動する産学公連携プロジェクト「トレイマット デザイン コンテスト」
京都市は京都市立芸術大学(京都芸大)及び日本マクドナルド株式会社と連携し、「生物多様性」について考えて、行動する産学公連携プロジェクト「トレイマット デザイン コンテスト」を実施しています。
生物多様性保全に関する活動交流会(令和7年3月9日開催)
「森・里・街・川」のつながりの重要性を知り、各エリアにおける取組事例・課題等を共有したうえで、参加者同士が交流することを目的に活動交流会を開催しました。(きょうと生物多様性センター主催「生物多様性に関する流域連携のキックオフ・フォーラム」と同時開催。)<基調講演>「私たち生きものの中の私」として生きる―生命誌の視点―
JT生命誌研究館
名誉館長 中村 桂子 氏
<事例紹介>【森】鴨川源流雲ケ畑に息づく希少植物と山里文化をみなさんとともに楽しみたい/季節の味や香りを運ぶ伝統食や産品の魅力を市街地の皆さんに届ける活動をすすめたい
雲ケ畑・足谷 人と自然の会 西野 護 氏
雲ケ畑在住者 塚本 直治 氏
<事例紹介>【里】都市近郊で行う環境配慮型農業
株式会社中嶋農園 代表取締役 中嶋 直己 氏
NPO法人 木野環境 調査研究部 戸倉 明子 氏
<事例紹介>【街】名勝渉成園ならびに名勝無鄰菴庭園での生物多様性に繋がる庭園管理
植彌加藤造園株式会社 自然文化サービス部 後藤 香奈 氏
<事例紹介>【川】アユと魚道と澪標
京の川の恵みを活かす会 副代表 中筋 祐司 氏
<話題提供>森里海連環学や新しい里山・里海共創プロジェクトについて
京都大学フィールド科学教育研究センター センター長 舘野 隆之輔 氏
<パネルディスカッション>「森・里・街・川」のつながりの重要性について
参加者:基調講演者、事例紹介者、話題提供者
進行:きょうと生物多様性センター センター長 湯本 貴和 氏
意見交換
事例紹介者等のポスターを展示するとともに、生物多様性保全に取り組まれている方々や、参加者同士が交流し、意見交換を行いました。
フォーラムへは179名(オンライン86名含む)もの方に参加いただき、アンケートでは「いろいろな方面から生物多様性のことについて学習することができた」、「自分の活動に参考になる気付きが沢山あった」、「これまで関心外にあった人たちをどう取り込んで行くか?というテーマで認識を共有出来てよかった」等、様々なお声をいただきました。